【概説】
神経根造影は,脊椎神経根症における障害神経根の診断および治療に用いられる検査法である.診断的意義としては,神経根の周囲に造影剤を注入し描出することにより,椎間孔内外の形態変化を把握することができる.またブロック針による疼痛再現性の確認や,その後の少量の局所麻酔薬注入による疼痛消失の確認により,責任神経根の同定に有用となる.治療的意義としては,局所麻酔薬やステロイド薬の使用によりブロック後の疼痛改善効果も期待できる.CTやMRIなどの画像診断の進歩により,椎間孔周辺の描出が容易となり,形態的な診断としての侵襲的な神経根造影の適応は減少する一方で,近年では被曝や安全性に配慮した超音波ガイド下での頚椎神経根ブロックの有用性も報告されている.
【適応】
診断としての神経根造影の適応は,①MRIや脊髄造影などの画像所見では異常をとらえられないが,神経根由来の症状が疑われる場合,②画像所見では