【概説】
骨折固定材料としてスクリュー,プレート,髄内釘,創外固定器などが挙げられるが,プレート固定法は髄内釘と並ぶ代表的な骨折内固定法の1つである.プレートとスクリューとを組み合わせて固定する方法で,近年では関節近傍の各部位の形状に適合させたアナトミカルプレートや,プレート孔にスクリューヘッドがロックして角度安定性を得るロッキングプレートが開発・導入され,汎用されるようになってきている.関節内骨折,骨幹端骨折,髄内釘では固定不能な骨幹部骨折などに適応される.
【プレートの分類】
(表2-3図)
(1)形態による分類
使用する部位や骨のサイズに応じてさまざまな厚さや大きさ,形状のプレートがあり,それに応じてスクリューの種類(皮質骨スクリュー,海綿骨スクリュー,ロッキングスクリューなど)も各種準備されている.近年はロッキング機構をもつプレートが主流を占めている.
①ストレートプレート:主に骨幹部骨折に対して使用される.LC-DCP(limited contact-dynamic compression plate),円プレート(1/3円など),リコンストラクションプレートなどが挙げられる.LC-DCPは骨との接触面積を少なくして血行障害の低減をはかっており,ダイナミックコンプレッションホールを用いて圧迫,保護(中和)などさまざまなプレート機能をもたせることができる.1/3円プレートは厚みが薄く,腓骨の固定に頻用される.リコンストラクションプレートは複雑な成形に有利であり,寛骨臼骨折の固定などに用いられる.後述するロッキングプレートのストレートタイプはこの範疇にも含まれる.
②アナトミカルプレート:骨の形状に合わせた各部位に専用のプレートで,四肢長管骨の骨幹端部や鎖骨などに対して近年盛んに開発されている.
③アングルブレードプレート:ブレードにて骨端部骨片を固定する角度安定性を有する