1.整復の目的
整復とは,骨折骨片を正しい位置関係に復元させることで,骨折治療においては基礎の部分である.関節内骨折であれば,関節面の再建も含めて行わなければならない.整復操作は,基本的に受傷時に骨片が転位した過程を逆行させる操作である.そのため周囲の筋の付着,牽引力などを把握したうえで,転位と変形の状態を分析して必要な操作を理解することが重要である.
①骨幹部と骨幹端部:関節面を含む,両端の主骨片の三次元的アライメント(長さ・軸・回旋)を矯正し,上下の関節を正しい位置関係に戻すことが重要である.
②関節内と骨端部:関節内骨折では,外傷性関節症を防止するため,関節面を正確に整復し,解剖学的整復位を得ることが求められる.骨端部の骨折も同様に,正確に整復を行わなければ,近傍の関節適合性が悪くなることが多く,注意すべきである.
2.整復方法
【1】直接的整復(direct reduction)
徒手