診療支援
治療

外傷後の異所性骨化,外傷性骨化性筋炎
Traumatic heterotopic ossification, Ectopic bone formation, Myositis ossificans traumatica
土田 芳彦
(湘南鎌倉総合病院外傷センター センター長〔神奈川県鎌倉市〕)

【疾患概念】

 異所性骨化,外傷性骨化性筋炎とは,本来骨組織が存在しない筋肉およびその周囲に異常に骨形成が起こる病態である.股関節,肘関節,肩関節に発生することが多く,外傷後早期の過度な可動域訓練によって引き起こされ,頭部外傷,遷延性意識障害患者に多発するといわれている.

【病態】

 骨格筋が損傷することにより炎症性サイトカインが放出され,これらのサイトカインが血管の内皮細胞を刺激し間葉系幹細胞に変化させ,さらにこれが骨芽細胞に分化し軟部組織に骨形成を促すとされる.


問診で聞くべきこと

 臨床症状からの早期診断は難しい.外傷後早期に,過度な可動域訓練があったかどうかを聞く.


診断のポイント,必要な検査と所見

 局所臨床症状として,熱感,発赤,腫脹,圧痛,関節可動域制限などが挙げられるが,外傷後,手術後としては非特異的なものである.血液学的には,初期に骨形成を反映する血清アルカリホスファターゼ(ALP)値

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