診療支援
治療

成長期のスポーツ外傷・障害の留意事項
Considerations for sports injuries in growing period
松本 秀男
(日本スポーツ医学財団 理事長〔東京都新宿区〕)

1.成長期スポーツの重要性

 スポーツは成長期の小児にとって運動器ばかりでなく,呼吸器,循環器,消化器などすべての臓器の発達に重要な役割を担っている.さらに,精神面での発達にも重要であることが指摘されている.しかし,スポーツはある程度の外傷や障害のリスクを伴うため,いかに安全にスポーツを行うように指導していくかが重要となる.


2.成長期スポーツ外傷の特徴と対策

 成長期における運動器の特徴は,骨端軟骨の存在である.この骨端軟骨の存在により,成長期特有のスポーツ外傷が生じ,また治療にあたっても,常にその存在を考慮する必要がある.

 スポーツ外傷で最も問題となるのが骨端軟骨損傷であり,これが損傷すると骨の成長障害の原因となる.また転位を伴った骨端軟骨損傷では,不用意に整復操作を行うと骨端軟骨をさらに損傷することがあり,愛護的な整復操作が重要である.Salter-Harris分類が有名であるが,特にⅣ型

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