診療支援
治療

Larsen症候群
Larsen syndrome
岡田 慶太
(東京大学医学部附属病院 助教)

【疾患概念】

 Larsen症候群とは,多発関節脱臼を主体とする疾患である.原因遺伝子は,細胞骨格の構造と活性を制御する細胞質蛋白質Filamin Bであることが解明されており,常染色体優性遺伝する.発生頻度は10万に1人程度と考えられている.

【臨床症状】

 出生時に股関節,膝関節,肘関節など大関節の脱臼が多く,内反足を伴うこともある(図7-14).顔貌は前頭部の突出,鞍鼻を伴う平坦な顔,眼間開離が特徴である.ほとんどの症例で手指末節部がへら状で,特に母指に目立つ.その他に頚椎の局所後弯で幼少期から脊髄症を生じ,早期手術を要することもある.気管喉頭軟化症もまれに合併する.


必要な検査とその所見

 単純X線検査で脱臼が疑われる関節,頚椎および足部を撮影する.踵骨の二重骨化中心が特徴的だが,出生直後は骨化が未熟でわからないことも多い.頚椎の局所後弯は早期治療の対象となるため必ず確認し,適宜MRIも行

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