【疾患概念】
過去には単純X線像の所見から脊椎骨幹端異形成症(spondylometaphyseal dysplasia;SMD)として1つのグループに分類されていた.しかし,SMD Kozlowski型は,以前からX線像の特徴の類似性が指摘されていた変容性骨異形成症と同一のカルシウムチャネルの一種であるTRPVファミリーの1つをコードするTRPV4のヘテロ接合性変異による疾患群の軽症型であることがわかり,2010年の骨系統疾患国際分類からTRPV4異常症となった(2019年の分類では,グループ8:TRPV4グループ).Kozlowski型以外のSMDは主に国際分類のグループ12:脊椎骨幹端異形成症にまとめられ,SMD corner fracture型(Sutcliffe型)もこのグループに属している.SMDには多くの個別の報告があり,遺伝的異質性のある疾患群である.本項では,代表的なKo