【疾患概念】
小児期に,成長軟骨板や類骨にカルシウム・リンの沈着障害が生じる「くる病」のうち,腎尿細管におけるリン再吸収の異常により,尿中リン排泄が増加し,血清リン濃度が低下することを原因とするもの.遺伝性の90%以上は,PHEX遺伝子異常によるX連鎖性低リン血症性くる病(XLH)である.非遺伝性のものは,FGF23(fibroblast growth factor 23)産生腫瘍による腫瘍性骨軟化症(TIO)や薬剤による尿細管機能異常である.
【症状】
ほかのくる病と違いはないが,年長児になってからX脚などの下肢変形や弯曲をきたすことは,ビタミンD欠乏性くる病では少ない.成人の無治療例や治療中断例では,腱付着部の石灰化や関節変形,疲労骨折様の偽骨折や骨痛を認める.中年以降に,後縦靱帯骨化症を合併することが多い.
問診で聞くべきこと
低身長・下肢変形などの家族歴の有無.ビタミンD欠乏性くる病と