【疾患概念】
くる病と骨軟化症は,両者とも骨石灰化障害を特徴とする疾患であり,成長軟骨板閉鎖以前に発症するものがくる病とよばれている.両者とも栄養障害が主な原因であるが,低リン血症をきたす遺伝性疾患や腫瘍なども原因となる(「低リン血症性くる病」の項→参照).本項では,主に栄養障害(ビタミンD欠乏)による骨軟化症とくる病について述べる.
【臨床症状】
1~2歳頃はO脚を主訴に来院する,いわゆる生理的O脚症例に混ざっていることが多い.それ以降,成長軟骨板が閉じるまでのくる病の時期は,X脚を含む下肢変形や低身長が主な症状となることが多い.成人の骨軟化症は,筋力低下や骨痛が主な症状となるが特異的な症状はなく,成人は骨粗鬆症の診断を受けた症例のなかに隠れているので,鑑別として常に念頭におく必要がある.
問診で聞くべきこと
栄養不足が原因のくる病や骨軟化症は,ビタミンDやカルシウム不足を疑う生活習慣(紫外