【疾患概念】
McCune-Albright症候群は,皮膚カフェオレ斑,線維性骨異形成症,内分泌疾患を3主徴とする症候群である.徐々に臨床症状が現れる場合があり,診断時に3主徴がすべて揃わないこともある.10歳以下に発症するが,皮膚カフェオレ斑は出生時より認めることより,早期に診断される場合もある.発生頻度は10万~100万人に1人とされ,男児より女児に多く認められる.
診断のポイント
整形外科へは線維性骨異形成症に伴う骨折,変形を主訴に受診となる.単純X線にて「羊飼いの杖変形」に代表される長管骨変形と,骨内のすりガラス様陰影を認める.皮膚カフェオレ斑は,辺縁不整で分節状に存在して,通常片側性で正中線をまたがないことが特徴とされる.この2徴を確認後,小児科医あるいは内分泌科医に内分泌疾患についてコンサルトする.
治療方針
皮膚カフェオレ斑は,皮膚科的治療は困難である.内分泌異常については多岐にわたるため,専門医による治療が望ましい.整形外科においては骨病変に対する治療が主となる.
保存療法
病的骨折予防を目的に,カルシウム製剤とビタミンDを併用したビスホスホネート製剤による薬物療法が行われている.骨痛に対して有用である一方,骨折頻度減少については明らかな見解がない.
手術療法
骨折を生じた場合は変形矯正を兼ねた手術を検討する.プレートを使用する場合は病変部をまたいで健常部で固定できるようにする.病変部が大きい場合は髄内釘あるいは創外固定など,厳密なアライメント矯正可能な治療法を考慮する.わずかでも変形が遺残すれば続発する骨折,変形の原因となる.脚長不等に対しては健側の短縮・成長抑制を検討する.
予後
一般に生命予後は良好であるが,合併する疾患の重症度により異なる.線維性骨異形成症は30歳代後半までに自然に進行が停止する症例が多いが,疼痛,繰り返す骨折などによりADLが障害される例もあ
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