診療支援
治療

リンパ浮腫
Lymphedema
山下 修二
(東京大学医学部附属病院 特任講師(形成外科))

【疾患概念】

 リンパ浮腫は,リンパ輸送能の低下により,組織間隙に高濃度の蛋白性間質液が貯留した状態である.わが国では,悪性腫瘍の治療に伴うリンパ節郭清や放射線照射に続発する四肢リンパ浮腫が最も多く,乳癌術後の約10%,子宮癌術後の約25%に発症するといわれている.

【病型・分類】

 リンパ浮腫は,リンパ輸送能の低下の原因により,それぞれ先天的なリンパ管の発達障害による一次性リンパ浮腫と,医原性リンパ浮腫(リンパ節郭清,放射線照射),外傷,関節リウマチ,感染症などに続発する二次性リンパ浮腫に分類される.リンパ浮腫の病期分類は,国際リンパ学会(International Society of Lymphology;ISL)による分類が広く普及している.

‍ 0期:リンパ液輸送が障害されているが,浮腫が明らかでない潜在性または無症候性の病態.

‍ Ⅰ期:比較的蛋白成分が多い組織間液が貯留しているが,まだ

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