1.脳血管障害リハビリテーション治療の進め方
脳血管障害リハビリテーション治療は時期により急性期,回復期,生活期(維持期)に分類される.
急性期リハビリテーション治療のポイントは,十分なリスク管理のもとにできるだけ発症早期から積極的なリハビリテーション治療を行うことである.特に早期からの座位獲得,嚥下評価に基づく栄養手段の決定と摂食・嚥下訓練が重要である.
回復期においては機能障害,日常生活動作(activities of daily living;ADL)を用いた予後予測に基づくゴールの設定を行い,適切なリハビリテーション治療プログラムの立案ならびに期間の設定を行い,理学療法,作業療法,言語療法のリハビリテーション処方を行う.歩行障害に対しては適切な下肢装具を処方し,装具療法を行うことも重要である.
生活期(維持期)のリハビリテーション治療では,回復期に獲得された筋力,体力,歩行能力,A