診療支援
治療

投球障害肩の手術療法
Arthroscopic treatment for throwing athletes
鈴木 一秀
(麻生総合病院 副院長/スポーツ整形外科 部長〔川崎市麻生区〕)

【概要】

 投球障害肩における手術の比率は1~5%程度であり,ほとんどの症例は腱板機能訓練や肩甲胸郭機能訓練,体幹や股関節など肩関節以外の機能低下部位に対する運動療法および投球フォーム上の問題点に対する保存的加療で復帰可能である.復帰困難例に対して最終手段として,損傷の部位や程度により鏡視下手術が行われているが,適応となる病態はインターナルインピンジメントによる腱板(不全)断裂や後方関節唇損傷,上方関節唇損傷〔SLAP(superior labrum anterior and posterior)lesion〕,腱板疎部損傷〔pulley lesion,MGHL(middle glenohumeral ligament)損傷〕,肩峰下インピンジメント,後方関節包拘縮(Bennett骨棘)などである.


1.適応

 一般的には,運動療法を中心とした保存療法を3~6か月行い機能向上が得られても,解剖学

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