【疾患概念,病態】
上腕骨頭の無腐性壊死は比較的まれな疾患であり,上腕骨頭への栄養血管が閉塞し骨壊死を生じる疾患である.全骨壊死のなかで約10%であるといわれており,好発年齢は50~55歳である.原因は特発性と二次性に分けられる.二次性はさらに外傷性と非外傷性に分けられる.外傷性は上腕骨近位端骨折,肩関節脱臼などの後に発生する.非外傷性の原因としてはステロイド性が最も多く,アルコール性,潜函病,鎌状赤血球症,Gaucher病なども挙げられる.ステロイド性は,ステロイド全身投与を受けた患者の約5%に起こるとされており,疼痛などの自覚症状はステロイド投与後6~18か月で出現するとされている.ステロイド投与を受けた既往のある患者で肩痛を訴える場合には必ず鑑別疾患に挙げなければならない.
【病型分類】
分類は大腿骨頭壊死に対するFicat-Arlet分類をもとにしたCruess分類が頻用される.
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