【疾患概念】
成長期の上腕骨小頭に生じる骨軟骨障害である.野球選手の発生が多く外側型野球肘に分類されるが,ドッジボールなど投球・投擲動作を繰り返すほかの球技や,器械体操などでも発生する.10歳代前半の発症が多く,腕橈関節への反復外力が誘因と考えられる.一方で,軟骨下骨折,局所血流障害,遺伝的素因などの関与を示唆する報告もある.
【臨床症状】
初期には無症候であることが多いが,徐々に投球時,特に加速期に肘関節外側部痛を自覚する.進行すると関節可動域制限や遊離骨軟骨片によるロッキング症状を呈する.
問診で聞くべきこと
疼痛部位,発生時期,疼痛が誘発される動作に加え,スポーツ歴を聴取する.スポーツは種目,継続期間,プレイ頻度,また,野球であればポジション,使用する球(軟球,硬球など),競技レベルも確認するとよい.
必要な検査とその所見
単純X線像(図13-7図)で上腕骨小頭陰影の不整や遊離片の有無を確