【疾患概念】
関節リウマチ(rheumatoid arthritis;RA)によって肘関節の滑膜炎が生じ,長期間の罹患によって関節軟骨や関節近傍の骨を破壊して肘関節の変形や不安定性あるいは強直を生じた肘関節で,多くの例で尺骨神経麻痺を伴う.
【病型・分類】
肘関節の単純X線画像によって,Steinbrockerのstage分類ではstageⅠ~Ⅳ,Larsenのgrade分類ではgrade 0~Ⅴに関節の破壊程度が分類されている.
grade 0(正常)
grade Ⅰ(軽度の異常):関節周囲の軟部組織の腫脹,関節近傍の骨萎縮,軽度の関節裂隙の狭小化のうち少なくともどれかがみられる
grade Ⅱ(初期変化):1ないし数個の小さな骨びらんおよび関節裂隙狭小化
grade Ⅲ(中等度の関節破壊):著明な骨びらんおよび関節裂隙狭小化
grade Ⅳ(高度の関節破壊):高度の骨びらんおよび関節裂隙