診療支援
治療

橈骨遠位部骨折の分類
Classification of fracture of the distal end of radius
坂野 裕昭
(平塚共済病院 副院長〔神奈川県平塚市〕)

【概説】

 橈骨遠位部骨折に対する多くの分類が存在するが,現在頻用されている2分類について解説する.1つは,古くから使用されている冠名分類であり,2つ目が現在最も頻用されているAO分類である.冠名分類は,骨折の大まかな形態的特徴を名称で容易に伝えることができるので,日常診療で頻用される.AO分類はユニバーサルな分類法で,関節外・内骨折の形態的変化を詳細に分類している.


1.冠名骨折分類

【1】Colles骨折

 1814年にAbraham Collesの記載した,遠位骨片が背側に転位した骨折で,現在でも橈骨遠位端骨折の代名詞的に使用されている.橈骨遠位部で最も多い骨折である.

【2】Smith骨折

 1847年にRobert W. Smithが記載した,遠位骨片が掌側に転位する骨折である.

【3】Barton骨折

 1838年にJohn R. Bartonが記載した,冠状面での関節内骨折で,背側縁が骨折し

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら