診療支援
治療

Barton骨折
Barton fracture
長田 伝重
(獨協医科大学日光医療センター 主任教授)

【疾患概念】

 Barton骨折は,橈骨遠位関節部にかかる部分骨折とともに手根骨が亜脱臼する脱臼骨折で,橈骨遠位端骨折の1つの型である.背側に転位する背側Barton骨折と,掌側に転位する掌側Barton骨折とがある.

【頻度】

 Colles骨折,Smith骨折,Barton骨折の順番の頻度で,まれな骨折である.


診断のポイント

 単純X線側面像にて遠位関節縁骨片の転位を確認する.また,CTにて部分関節内骨折であることや,骨片転位の程度などが詳細に判断できる.


専門病院へのコンサルテーション

 掌側Barton骨折は手術適応であるので,専門病院へのコンサルテーションが推奨される.


治療方針

 転位のある骨折は徒手整復を試みる.徒手整復ギプス固定後にstep-offあるいはgapが2mmより大きい例は手術適応となる.ガイドラインではBarton骨折の記載はないが,手術適応は同様である.


治療法

【1】保存療法

 

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