1.X線撮影
手関節疾患の診断には正確な手関節2方向撮影が必要である.正面像は肩関節外転90°,肘屈曲90°,前腕回旋中間位,手関節中間位での後前像,側面像は肩関節外転0°,肘関節90°屈曲,前腕回旋中間位,手関節中間位で撮影を行う.それに加えて回内斜位像,回外斜位像を追加する.診断には健側との比較も重要である.正面像での診断は手根骨のカーブ(Gilula arch)がポイントになる(図15-3図).archⅠでは近位手根骨の舟状骨,月状骨,三角骨の近位,archⅡは近位手根骨の遠位,archⅢは遠位手根骨,有頭骨,有鉤骨の近位である.それに加えて橈骨関節面を確認する.手根骨archの乱れは,手根骨骨折,月状骨周囲脱臼骨折,手根不安定症,月状骨壊死のKienböck病,舟状骨壊死のPreiser病やそれらに伴うSLAC(scapholunate advanced collapse) wri