【疾患概念】
手関節は手の機能を発揮するうえでの“かなめ”である.関節リウマチ(rheumatoid arthritis;RA)では高頻度に罹患し,疼痛と関節破壊を伴う不安定性を有する場合には,把持機能は大きく障害される.
【頻度】
従来の薬物療法のもとでは,発症後2年以内に約70%,10年以上で95%以上が罹患し,X線像で約80%に破壊性病変がみられる.
診断のポイント
持続する手関節部の腫脹と疼痛,可動域(屈伸,回内外)制限,X線像での破壊性関節病変(骨びらん),アライメント異常(尺骨頭の背側亜脱臼,手根骨の尺側移動,掌側亜脱臼,橈側回転,回外変形),舟状月状骨解離など.
治療方針
【1】遠位橈尺関節(distal radioulnar joint;DRUJ)に対する手術
尺骨頭の背側亜脱臼により前腕の回旋制限を生じ,しばしば指伸筋腱断裂がみられる.尺骨頭に破壊がない場合は,いったん切離した尺