【疾患概念】
Bennett骨折は,第1中手骨基部尺側の小骨片が原位置に残存し,手根中手(carpometacarpal;CM)関節面の大部分を含む中手骨が近位に脱臼した母指CM関節脱臼骨折を指す.長母指外転筋腱が中手骨を牽引するため脱臼する.Roland骨折は,第1中手骨基部が粉砕した母指CM関節内骨折を指す.
【臨床症状】
骨折部に腫脹と圧痛を認め,痛みのため母指の自動運動が障害される.
問診で聞くべきこと
受傷機転を聴取する.手のしびれや感覚障害の有無を確認する.
必要な検査とその所見
①単純X線検査(図16-6図):骨折を診断できる.
②CT:Bennett骨折では必ずしも必要ないが,Roland骨折では骨片の数や大きさを把握することができて有用である.
診断のポイント
患者の症状,受傷機転からこれらの骨折を疑い,単純X線像で診断する.
専門病院へのコンサルテーション
手術が可能な施設の整形