【疾患概念】
多発性の血管性腫瘍(angioma)を伴う内軟骨腫症(enchondromatosis)でまれな遺伝疾患であり,遺伝形式も不明である.性差や人種差もないとされるが,IDH1/IDH2にmutationがみられることが多い.
【病態】
中胚葉性組織の形成異常と考えられ,知的・精神的な発達は正常である.4~5歳で四肢末梢の青色の病変で気づかれることが多い.皮膚・骨病変は10歳代までゆっくり進行し,10~20歳代でその進行は止まることが多く,低身長を示すこともある.血管病変は静脈性血管奇形(venous malformation)で表在性・深在性ともにあり,また左右非対称性に認められる.暗青色を呈し,圧迫で容易に小さくなり,無症状なことが多いが,血栓形成や静脈石の形成もみられる.内軟骨腫症は全身の骨に生じ,片側性に腫瘍が多発することが多いが,両側性あるいは交差性のこともある.内軟骨腫