診療支援
治療

透析性脊椎症
Dialysis-related spondylosis
大澤 透
(京都第一赤十字病院 主任部長〔京都市東山区〕)

【疾患概念】

 透析性脊椎症は,長期透析患者にみられる透析アミロイドーシスを主因とし,脊椎周辺に発生する脊椎症の総称である.

 透析アミロイドーシスは透析で濾過できないβ2-microgloblin(β2-MG)を前駆物質とするアミロイドが全身臓器特に靱帯,腱,椎間板,軟骨,関節滑膜などの骨関節領域に沈着し,発生する全身性のアミロイドーシスである.

【頻度】

 10年以上の長期透析患者に高頻度に発症する.アミロイドは運動負荷が大きく加齢性変化の強い部位に沈着しやすいため頚椎や腰椎高位での発症が多く,透析開始年齢が高いと発生しやすい.

【病態および臨床症状】

 骨軟部組織病変により骨破壊性変化が主体の破壊性脊椎関節症(destructive spondyloarthropathy;DSA)と軟部組織増殖性変化が主体のものに分類される.DSAは脊柱靱帯付着部に沈着したアミロイドが局所炎症を誘発し,脊椎骨軟

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