診療支援
治療

脊髄動静脈奇形
Spinal arteriovenous malformation
小澤 浩司
(東北医科薬科大学 教授)

【疾患概念】

 脊髄や神経根の近傍で動脈と静脈が直接吻合することによって,動脈血が直接脊髄表面の静脈に還流してしまい,脊髄からの正常な静脈血が静脈へ流れ込むことができなくなる血管奇形の1種である.次のような機序による脊髄障害症状を起こす.

①細動脈の血流が不足するために脊髄の虚血が生じる.

②静脈のうっ滞により脊髄内の静脈還流障害が生じる.

③動脈瘤や静脈瘤が生じ,脊髄を圧迫する.

④動静脈奇形が破裂し,髄内出血,くも膜下出血が生じる.

【頻度】

 脊髄動静脈奇形はまれな疾患で,手術治療が行われるのは,人口400,000人に1人程度であるとされている.

【分類】

 動静脈の吻合部(シャント)の局在により,次の4つに分けられる.

①脊髄髄内動静脈奇形(intramedullary arteriovenous malformation;intramedullary AVM)

②脊髄硬膜内傍脊髄動静脈瘻(perime

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