【疾患概念】
1925年にCalvéが椎体の扁平椎をきたす骨端症として報告したことから,Calvé扁平椎とよばれている.1954年にCompereがvertebra planaの生検で好酸球性肉芽腫(eosinophilic granuloma)であることを確認し,好酸球性肉芽腫はLangerhans細胞とよばれる組織球性細胞の増殖を主体としている椎体病変と考えられている.Calvé扁平椎は好酸球性肉芽腫により椎体圧潰を引き起こし,扁平椎をきたす疾患である.
【臨床症状と病態】
10歳未満の発生が圧倒的に多く,主症状として罹患部の自発痛であり,神経症状を伴う場合もある.好酸球性肉芽腫の好発部位として頭蓋骨,肋骨,骨盤,長管骨,脊椎に好発し,脊椎は全体の10%程度である.
問診で聞くべきこと
疼痛部位,発症時期,外傷の有無,神経症状の有無.
診断のポイント
①単純X線撮影で主に1椎体の圧潰・扁平化,椎間腔が温存.
②MRIで境界不明瞭なT1低輝度,T2高輝度の病巣.
③生検で組織球性細胞の増殖が確認できれば診断が確定.
鑑別疾患で想起すべき疾患
化膿性脊椎炎,脊椎カリエス,腫瘍性疾患(Ewing肉腫,悪性リンパ腫,神経芽腫,転移性脊椎腫瘍)などと鑑別する.
治療方針
通常は1椎体の単発例であり予後良好だが,病変の多発化や再発例も報告されている.成長障害,病的骨折および神経症状がなければ,診断確定後は外固定・安静などの保存療法により扁平椎のリモデリングが期待され,経過は良好である.
保存療法
基本的に自然治癒が期待できるため,まず保存療法を行う.鎮痛薬による疼痛緩和をはかり,頚椎では頚椎装具,ハローベスト,胸腰椎では硬性装具などの装具療法を行う.放射線治療の有効性を示す報告もあるが,放射線感受性が高い一方で,成長障害や二次性悪性腫瘍などの問題から適応は再発例などに限定されるのが通常である.また多
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