【疾患概念】
外傷,腫瘍,変性疾患などで脊椎の椎弓切除術を受けた後,脊柱後方支持組織の強度が低下する.それに伴い脊椎の生理的弯曲が変化し,その結果局所に高度の後弯変形をきたすことがある.小児においては,後方支持組織の問題だけではなく,椎体前方の成長軟骨板にかかるストレスが増加し,成長が抑制されることも変形の原因とされる.
【頻度】
小児においては,約半数以上と高頻度に起こるが,成人ではまれである.しかし,成人でも頚椎においては,術前のcervical-sagittal vertical axisやT1-tiltが高値な場合の椎弓切除,もしくは椎弓形成後,また軸椎の椎弓切除後に後弯が進行することがある.また胸椎においても,胸椎後縦靱帯骨化症に対し広範囲に椎弓切除をした場合は,発生頻度が高くなる.
【臨床症状および病態】
症状は,後弯変形と同部の疼痛であり,頚椎の高度後弯化では,脊髄症状の悪化をき