【疾患概念】
頚椎椎間板はその変性の過程において髄核の水分が減少し,軟骨板を含めた椎間板組織にフラグメンテーションが生じるようになる.そのフラグメント化した軟骨板を含む椎間板組織片が,脆弱化した線維輪や後縦靱帯深層を穿破したものがヘルニアである.ヘルニアはしばしば神経根や脊髄を圧迫して,それぞれ神経根障害,脊髄障害を引き起こす.
【頻度】
頚椎の椎間板変性は20歳代に始まるとされている.したがって頚椎のヘルニアは30~50歳代で生じることが多い.神経根症をきたすヘルニアの椎間板高位はC6/7椎間が最も多く,次いでC5/6,C7/T1,C4/5椎間の順である.一方,脊髄症ではC5/6椎間が最も多く,次いで,C4/5,C3/4,C6/7の順である.
【病型・分類】
その局在から正中,傍正中,外側(椎間孔)ヘルニアの3タイプに分類される(図19-13図).脊髄症は正中あるいは傍正中のヘルニアで,神経
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