診療支援
治療

頚椎黄色靱帯石灰化症
Calcification of the ligamentum flavum of the cervical spine (CLFC)
西川 節
(守口生野記念病院 院長/脊椎・脊髄センター長〔大阪府守口市〕)

【疾患概念】

 CLFCは頚椎の椎弓を支持し,頚椎脊柱管の後方要素である黄色靱帯が石灰化する疾患である.臨床像,画像所見(図19-17a,a',b,b'),病理組織学的(図19-17c,c')特徴から黄色靱帯骨化症と区別して扱われるようになった.CLFCの組織学的検討では,異所性石灰化と異栄養性石灰化の両側面を有しており,黄色靱帯内の島状の石灰化のなかにハイドロキシアパタイトやピロリン酸カルシウムの沈着を認める.これらの結晶の周辺に炎症所見を示すことが多い.軟骨細胞,造骨細胞や骨誘導因子の発現はみられない.この点が後縦靱帯骨化とは別の病態として扱われている由縁である.CLFCの成因は詳しくはわかっていない.微細な靱帯への機械的刺激を修復するための炎症性変化,代謝性因子の関与が指摘されている.

【臨床症状】

 人種別には黄色人種に多い.60~70歳台を中心に高年齢層でみられている.発生頻度は,

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