【疾患概念】
腰椎椎間板ヘルニアは発生部位によって①脊柱管内,②椎間孔内,③椎間孔外に分けられるが,②,③を合わせて外側椎間板ヘルニアとよぶ.発生頻度は腰椎椎間板ヘルニア全体のうち,10%前後とされ,下位腰椎レベルでの発生が多い.
【臨床症状】
脊柱管内ヘルニアに比べ,強い疼痛を訴えることが多く,激しい痛みのために体動困難となる症例もある.脊柱管内ヘルニアでは分岐直後の神経根(例:L4/5脊柱管内ヘルニアであればL5)が障害されるが,椎間孔内や外側ヘルニアでは椎間孔を走行する1つ上位の神経根(L4/5外側ヘルニアであればL4)が障害される.
問診で聞くべきこと
罹患高位の診断のために疼痛部位の詳細な把握は必須である.また,治療方針の決定のために既往症や受傷前ADL,さらに職場復帰時期を考えるために職種は聞いておく必要がある.
必要な検査とその所見
単純X線では椎間板高の減少や変性所見,または機能撮影による不安定性の評価は可能であるが,単独での診断は難しい.
画像診断で最も有用なのはMRIであるが,撮像方向はsagittal,axialのみでなくcoronal像で神経根の走行を確認することも重要であり,ヘルニアに圧排された神経根は横走化する.また,神経根の描出に優れた拡散強調MRニューログラフィー(diffusion-weighted MRN;DW-MRN)を撮像することで,神経根の走行をより詳細に評価することが可能となる.
CTでもヘルニアの存在が確認できるが,有用性はMRIより劣る.ミエログラフィーでは診断が困難であり,椎間板造影によるヘルニアの描出や神経根造影での神経根の横走化と再現痛を確認し,ブロックによる一時的なpain reliefを得ることも診断の助けとなる.
鑑別診断で想起すべき疾患
椎間板嚢腫,椎間関節嚢腫.
外側ヘルニアではまれではあるが発育期の骨端輪骨折の遺残に
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