【概説】
手術手技の低侵襲化はすべての外科医にとっての課題であり,脊椎外科領域においても低侵襲化が叫ばれて久しい.昨今,内視鏡手術は光学機械や周辺機器の発達により,世界規模で普及しているが,椎間板切除に対する手技に発展がみられたのは1990年代後半であり,他分野に比べると比較的最近のことである.インターネットの普及により,患者側の得られる情報も増えてきていることから,今後も内視鏡手術のニーズは増えてくると思われる.
1.種類
椎間板切除に用いられる内視鏡手術は大きく分けて2種類あり,従来の手術を内視鏡を用いることで低侵襲化を可能とした(1)後方内視鏡下椎間板摘出術(microendoscopic discectomy;MED法)と経皮的にアプローチすることでより低侵襲となった(2)全内視鏡下椎間板摘出術である.後者はさらにアプローチの違いにより①interlaminar approach,②