【疾患概念】
小児に発生する一過性の股関節炎であり,病因としてはウイルス感染,外傷,アレルギーなど諸説あるが,詳細は不明である.
【病態】
発症年齢は2~12歳頃であるがピークは5~7歳であり,男児に多く,片側発症例が多い.跛行および股関節痛を主訴とする症例が多いが,大腿部痛や膝関節痛を訴える症例も認める.
問診で聞くべきこと
最近の上気道感染症の有無.
必要な検査とその所見
跛行の確認を行う.股関節の可動域制限も認めており,特にflexion-adduction testは病状評価に有用である.単純X線像にて関節裂隙の開大を認めることがあるものの,明らかな異常所見を呈さないことも多い.超音波検査にて,関節液の貯留や滑膜炎に伴う大腿骨頚部前面関節包の拡大を確認することが可能であり,診断に有用である.Perthes病など他の疾患を疑う場合にはMRI検査が有用である.
鑑別診断で想起すべき疾患
化膿性
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