【疾患概念】
股関節内の細菌感染であり,大腿骨近位骨幹端部骨髄炎からの波及や,滑膜からの血行性波及などが原因となり生じる.治療開始遅延により大腿骨頭壊死や股関節脱臼,大腿骨成長障害などの重篤な機能障害を生じる可能性が高い.
【病態】
発熱およびおむつ替え時の激しい啼泣,自動運動の消失(仮性麻痺)を認める.股関節は熱感・腫脹・圧痛を認めており,屈曲外旋位拘縮を示すことが多い.起炎菌としては黄色ブドウ球菌,表皮ブドウ球菌,肺炎球菌,インフルエンザ菌が多い.
問診で聞くべきこと
基礎疾患,先行感染,抗菌薬投与の有無.
必要な検査とその所見
38.5℃以上の発熱および上記下肢症状を認める場合には,股関節単純X線撮影,超音波検査および血液検査を行う.超音波検査で関節液の貯留が確認できて,なおかつ白血球数12,000/mm3以上,CRP2.0mg/dL以上,赤沈1時間値40mm以上のいずれかを認めた場合には