【疾患概念】
股関節の動作時に弾発現象が生じる疾患の総称である.原因により関節外型と関節内型に分類され,関節外型には外側型と内側型がある.
【病態】
関節外型では,動作時に筋・腱・靱帯が骨性隆起を乗り越える際に弾発現象が生じる.関節内型では,動作時に関節唇など遊離体が「ひっかかる」ことにより生じる.
問診で聞くべきこと
どのような動作,肢位にて弾発現象が生じたのか,また疼痛の有無を聴取する.
1.関節外型
【病態】
外側型では腸脛靱帯が股関節の屈伸動作時に大転子を,内側型では腸腰筋腱が恥骨隆起を乗り越える際に生じることが多い.
【臨床症状】
大転子部や鼡径部に弾発現象を認め,疼痛を伴う場合がある.
診断のポイント
腸脛靱帯の場合,大転子を触知し下肢を内転させるようなストレスを下腿外側に加え,股関節を屈伸させ誘発する(bicycle test).腸腰筋腱の場合,鼡径部を触知し股関節を屈曲外転(開排)し,