【疾患概念】
ステロイド使用歴などの骨壊死症を生じうる要因がない患者において,膝関節荷重面に限局性に軟骨下骨の欠損が生ずる.高齢女性の大腿骨内側顆遠位荷重面に好発する.大きな外傷なしに急性に強い疼痛で発症することが多く,病初期の単純X線では異常を認めないが,病期が進行するにつれて,限局性の骨透亮像が関節軟骨直下に認められるようになる.軟骨下骨の脆弱性骨折がその病因と考えられている.
【病態】
歩行や階段昇降などの日常生活での通常動作によって,大腿骨内側荷重面の軟骨下骨脆弱性骨折が生じ,強い疼痛が発生する.発症直後の単純X線では異常を認めず,MRIにて荷重面を中心に大腿骨内側顆に信号変化を認め,時に軟骨下骨折線が認められることもある.免荷などで保存的に治癒することもあるが,病巣が大きい場合や,荷重を続けた場合では,骨折部が治癒せずに陥没し,断片化した部位が壊死に陥る.病期が進行するにつれて,単