診療支援
治療

シンスプリント(過労性脛部痛)
Shin splints
笹原 潤
(帝京大学スポーツ医科学センター 准教授)

【疾患概念】

 シンスプリントは,走ることの多いスポーツにおいて頻度が高く,運動時や運動後に脛骨の内側後方に痛みをきたす疾患である.欧米ではmedial tibial stress syndromeとよばれている.

【病態】

 下腿筋膜の脛骨付着部における牽引ストレスによる炎症や,脛骨の骨脆弱性などが原因として指摘されているが,実際の病態はわかっていない.


問診で聞くべきこと

 スポーツやランニングを行っていないか,またその頻度や練習量についても聞く.


必要な検査とその所見

 身体所見では,脛骨の内側後方に圧痛があり,片脚ジャンプで痛みを伴う.超音波や単純X線,MRIといった画像検査では,一般的には異常所見を呈さない.


鑑別診断で想起すべき疾患

 脛骨の内側後方に強い圧痛があり,片脚ジャンプで強い痛みがある,もしくは痛みのために片脚ジャンプができない場合は,脛骨疲労骨折(疾走型)を疑って超音波検査やMRIを

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