診療支援
治療

距骨滑車骨軟骨障害
Osteochondral lesion of the talar dome
林 宏治
(大手前病院 足の外科センター長〔大阪市中央区〕)

【疾患概念】

 軟骨下骨層で分離が生じ,進行すると骨軟骨片が関節内遊離体となる疾患である.外傷歴が明らかでない離断性骨軟骨炎と,外傷歴がある骨軟骨骨折として定義することもあるが,両者を総称して骨軟骨障害とよぶことが一般的である.

【病態】

 関節内で繰り返される微小外傷が主因と考えられるが,骨形態異常の関与も指摘されている.

【臨床症状】

 安静時痛はまれで,階段昇降時や運動時に痛みを認めることが多い.


問診で聞くべきこと

 スポーツ歴と職歴の問診は負荷強度の確認に重要で,骨折や捻挫などの外傷歴も忘れずに確認する.


必要な検査とその所見

 単純X線のみでは不十分であるため,CTまたはMRIが必要となる.


診断のポイント

 本症は骨と軟骨という異なる組織の複合損傷で,病勢は骨病変の損傷程度に左右されるため,その形態的評価をCT,質的評価をMRIで行う必要がある.


治療方針

 保存療法で治癒に至る可能性は低いため,手術

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