【疾患概念】
足関節外側靱帯損傷は足部内がえし捻挫の代表で,スポーツや日常動作のなかで発症する.軽症例では局所安静や活動制限で治癒するが,重症例では足関節に不安定性を残して変形性関節症に進展することがある.
【病態】
足関節外側靱帯は前距腓・踵腓・後距腓靱帯の3靱帯から構成され,前距腓靱帯が最も損傷しやすく,踵腓・後距腓靱帯損傷が加わると重篤となる.一般に靱帯が引き伸ばされたもの(Ⅰ度),部分断裂(Ⅱ度),完全断裂(Ⅲ度)と分類されるが,靱帯が複数あるため,前距腓靱帯の過伸長または部分断裂(Ⅰ度),同靱帯の完全断裂(Ⅱ度),前距・踵腓靱帯と後距腓靱帯短線維の完全断裂(Ⅲ度)とする長谷川の分類が有用である.後距腓靱帯が完全に損傷されることは少ない.前距腓靱帯は関節包靱帯であり,損傷では局所の出血や腫脹,関節内出血などをきたす.骨軟骨損傷や腓骨筋腱損傷が合併することがある.
小児では,腓骨の下端