診療支援
治療

遠位脛腓靱帯損傷
Distal tibiofibular ligament injury
寺本 篤史
(札幌医科大学 講師)

【疾患概念】

 遠位脛腓靱帯は主に前下脛腓靱帯と後下脛腓靱帯で構成され,複合的な遠位脛腓関節の動きを許容している.遠位脛腓靱帯損傷の多くは前下脛腓靱帯の損傷であるが,重症例では後下脛腓靱帯も損傷することがある.典型的な受傷肢位は足部外旋,足関節背屈位である.三角靱帯損傷を合併することも多い.腓骨高位骨折(Maisonneuve骨折)を合併することもあるため注意が必要である.

【臨床症状】

 前下脛腓靱帯部の腫脹と疼痛を伴う.荷重やしゃがみこみ動作での疼痛を認めることが多い.


問診で聞くべきこと

 受傷肢位の確認が重要である.スポーツによる受傷の場合は,種目と受傷時のプレー内容を確認する.


必要な検査とその所見

 触診が最も重要である.前下脛腓靱帯は触診が可能で,圧痛点が明確である.外旋テストは座位で膝屈曲位とし,検者が下腿近位を保持し足関節中間位で足部を外旋させる.損傷があれば前下脛腓靱帯部に疼痛を認め

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