【疾患概念】
疲労骨折は骨の同じ部分に,繰り返しの力が加わることによって骨折が起こる,骨組織に起こる代表的なスポーツ障害である.足舟状骨や足関節内果疲労骨折は疲労骨折のなかでも診断がつきにくく,スポーツ活動に支障をきたし,完全骨折や遷延治癒になり治療に難渋することが多く注意が必要である.
【頻度】
下肢の疲労骨折のなかでは,脛骨や中足骨の骨幹部疲労骨折に比べ比較的まれで,競技レベルの高いランニング系やジャンプ系のスポーツ,特に陸上競技,サッカー,バスケットボール,ハンドボール選手に多く発症し,初期には診断がつきにくく,見逃される場合が多い疲労骨折である.
【臨床症状・病態】
症状は初期では愁訴がはっきりせず,一定しないことが特徴であるが,内果疲労骨折の場合,内果と脛骨天蓋との前方境界部の圧痛点が特徴であり,もともと軽い疼痛があって,ある衝撃で完全骨折となって走行困難となり診察に訪れることもある