【疾患概念】
脊髄前角細胞から筋までの障害によって弛緩性麻痺が起こる.原因疾患には,二分脊椎(脊髄髄膜瘤),ポリオ(脊髄性小児麻痺),脊髄性筋萎縮症(Werdnig-Hoffmann病,Kugelberg-Welander病),Charcot-Marie-Tooth病(遺伝性運動感覚ニューロパシー),進行性筋ジストロフィーなどがある.
【病態】
前脛骨筋,長趾伸筋,第3腓骨筋の麻痺により下垂足,腓骨筋の麻痺により内反足,後脛骨筋の麻痺により外反足,腓腹筋,ヒラメ筋の麻痺により踵足,足内在筋の麻痺により凹足,鉤爪趾(claw toe)を起こす.麻痺により足関節,足部を正中位に維持できず,体の直立姿勢を保つことができない.
成長や時間経過とともに,筋腱の拘縮,靱帯の拘縮,骨の変形をも生じる.
問診で聞くべきこと
原因疾患が診断されていない場合,発症時期,麻痺の進行の有無や速度などの基本的な病歴を聴