【疾患概念】
中枢神経障害による筋の痙縮・筋力不均衡により生じる足部変形を指す.変形は,動的変形と静的変形に分かれる.
【臨床症状】
足底への不均衡な荷重や,靴や装具の不適合による疼痛,胼胝形成をはじめとした皮膚障害を生じる.立位・歩行の不安定性,あるいは不安定を代償するために生じる下肢痛や腰痛を生じることもある.最終的に歩行困難や歩行距離の低下を引き起こす.
問診で聞くべきこと
疼痛や皮膚障害の有無,靴や装具の種類と使用状況,各生活環境(家,学校,職場など)での移動手段や生活様式(和式か洋式,階段の有無)などについて聞く.
診断のポイント
臥位では,足部を構成する各筋の筋力,痙縮,長さ,骨性変形の有無,足の分離運動機能を診る.足部だけでなく,下肢全体(股関節,膝関節)の変形,可動域,痙縮についても知る.次に,立位の姿勢や歩容を観察する.
治療方針
【1】保存療法
下肢装具により,足底全体に荷重を分