【疾患概念】
衝突性外骨腫に代表され,足関節前方において異常な骨組織による衝突性の,または軟部組織による挟み込みから生じた疼痛によって正常な関節可動域が制限される状態をいう.
【頻度】
足関節に外傷歴のある者や,スポーツ活動性の高い若年者,過去にスポーツ歴のある青壮年などに多い.単純X線にて確認は容易であり,偶然見つかる無症状例も多い.
【臨床症状または病態】
スポーツ活動の継続により繰り返される足関節背屈ストレスや,足関節不安定性などが原因となって形成され,足関節背屈時に可動域制限を伴った疼痛を生じる.骨性には衝突性外骨腫,骨棘,遊離体などが原因となる.一般に骨棘は脛骨天蓋前縁では外側に,距骨頚部では内側に形成される.軟部組織では肥大化した滑膜組織,断裂靱帯の瘢痕,メニスコイド,前下脛腓靱帯の破格などがある.ジャンプの着地など足関節背屈強制にて疼痛を生じ,炎症の強い場合は関節腫脹もみられる.
問診で聞くべきこと
痛みの出現する運動肢位,日常生活での疼痛状況を問診する.スポーツ活動の強度を把握しておくことも重要であり,引退後,長期間を経て骨棘や遊離体が形成されることもあるので過去のスポーツ歴も確認する.
必要な検査とその所見
骨性インピンジメントの場合は単純X線にて確認できる.疑いのある場合は側面像で最大背屈位を追加するとよい.足関節不安定性のある場合はストレス撮影も考慮する.最近では足関節内果前方の骨棘が疼痛の原因とされる症例も散見され,3D-CTはこれらの骨棘を明瞭に描出でき非常に有用な検査である(図28-46図).軟部性インピンジメントが疑われる場合はMRI検査を行うが,画像上で明らかな場合は少なく,診断は難しい.
診断のポイント
・足関節背屈強制にて疼痛が再現されること.
・可能であれば足関節内に局所麻酔薬注射を行い,速やかに疼痛改善が得られること.
治療方針
疼痛の原因である炎症
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