進行した変形性足関節症の治療として,下位脛骨骨切り術,人工足関節置換術,関節固定術が適応されてきた.関節温存手技として下位脛骨骨切り術が行われてきたが,Joint orientationを整える手術であり,高倉&田中分類でのStage 3aまでが適応とされる.遠位脛骨斜め骨切り術(distal tibial oblique osteotomy;DTOO)は脛骨遠位部を斜めに骨切りして開大させ足関節の安定性をはかる手術で,1994年に寺本らにより確立された日本発の誇るべき手術である.脛骨遠位内側から脛腓関節までの斜め骨切り,十分な遠位骨片の開大,距骨のtotal contact,それによる足関節の安定性の確保・alignment改善が可能となる.原法ではリング型創外固定にて固定し,開大部には腸骨移植を行っている.これによりStage 2~4の一部まで適応されることになり,選択肢が拡がった.下位脛骨骨切り術に比して動的安定性の向上を目指すので,術中に遠位骨片を開大させた状態をみながら距骨の安定性を評価する必要がある.寺本らはmultidirectional instabilityと表現し,X軸(底背屈方向,前後方向,lateral shift),Y軸(距骨の回旋不安定性,牽引することによる軸方向の不安定性),Z軸(内外反ストレス不安定性,前後ストレス不安定性)で安定性を得ることが重要であるとしている.
素晴らしい理論,術式であるが故に広く行われるようになったが,リング型創外固定を行える施設は限られており,ロッキングプレートを用いた方法が報告されている.十分な距骨の安定性を獲得するには遠位骨片の十分な開大が重要となり,プレート固定の場合,創外固定に比して固定時の調整が難しくunder correctionになりやすい.同様に内側の皮膚緊張も強くなり,皮膚トラブルが危惧されるので
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