診療支援
診断

瘙痒(かゆみ)
Pruritus, Itch
髙森 建二
(順天堂大学大学院環境医学研究所・所長/皮膚科特任教授)

診断のチェックポイント

定義

❶かゆみとは“搔破したい欲望を起こさせる不快な感覚”と定義されており,外部異物に対する自己防衛反応や全身の異常を知らせるサインの1つである。

❷かゆみは睡眠障害,集中力の低下,労働生産性の低下などを引き起こし,生活の質(QOL)を著しく低下させる

❸かゆみは皮膚疾患だけでなく,悪性腫瘍を含む内臓の異常でも生じるので見逃せない症状の1つである。湿疹,皮膚の乾燥(皮膚瘙痒症),HIV感染症〔後天性免疫不全症候群(acquired immunodeficiency syndrome:AIDS)〕,内服中の薬剤,食物が原因でも生じることがある。

❹抗ヒスタミン薬など,従来のかゆみ治療法が奏効しないかゆみを難治性かゆみという。皮膚瘙痒症,肝硬変などの慢性肝疾患,慢性腎炎などの腎疾患,透析患者,膠原病などでみられる。皮膚瘙痒症の原因疾患を表1に示す。

❺かゆみ刺激は神経線維(C

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?