緊急処置
低血糖による症状のある患者を診察した場合,意識があり安全に経口摂取が可能であれば,ブドウ糖(5~10g)(またはブドウ糖を含む飲料水150~200mL)を服用させる。砂糖の場合は倍量(10~20g)とする。α-グルコシダーゼ阻害薬を内服中の場合はブドウ糖を用いるのが望ましい。糖尿病治療薬などの薬剤による低血糖の場合には食事の摂取も求められる。意識障害などにより経口摂取が難しい場合,グルカゴンの筋注,あるいはブドウ糖の静注を施行する。原因の薬剤(スルホニル尿素薬や持効型インスリンなど)や疾患によっては低血糖が遷延することがあり,少なくとも24時間程度の観察と,必要に応じて治療の追加を要する場合がある。
診断のチェックポイント
●定義
血糖値が70mg/dL未満,または,血糖値が70mg/dL以上であっても,動悸・発汗・脱力・意識レベルの低下などの症状があり,血糖値の急速な低下が想定され