緊急処置
急性発症の視野異常をきたす疾患,特に1)脳梗塞・脳塞栓,2)網膜中心動脈閉塞症,3)外傷性視神経症は,治療担当科に適切に振り分けるように早い段階で判断する。
診断のチェックポイント
●定義:視野は,上方60度,内方(鼻側)60度,下方75度,外方(耳側)100度の広さで,中心視野の感度が最も高く,周辺視野になるにつれて感度が低下する。中心から15度外方にはMariotte盲点がある。眼内に入射した視覚刺激は,上下左右反転して視交叉で半交叉するため,視路の障害部位によって特徴的な視野異常をきたす(図1図)。
【1】病歴
❶自覚症状
■視野異常の自覚症状は多様で,「視野が狭くなった」や「視野に見えない(見えにくい)ところがある」だけでなく,「目が潤む」や「眼脂が付いている」などの前眼部疾患の症状を訴えることもある。「物にぶつかりやすい」や「ご飯を食べ残す」などの行動異常に家族が気づいて来院する