診断のチェックポイント
●定義:味覚に何らかの異常が生じる病態であり,その症状から表1図のように分類される。
【1】病歴
❶いつから,どんな症状を自覚したのか:病悩期間が長い例は予後不良となりやすい。
❷発症の契機があったか:感冒罹患の有無(→感冒性味覚障害),中耳手術・扁桃手術・歯科治療など(→医原性味覚障害),脳血管障害・外傷など(→中枢神経障害),心的ストレスの有無(心因性味覚障害)。
❸持病の有無と常用薬の確認:糖尿病や消化器疾患,肝腎機能障害などの全身疾患は,味覚障害の原因となる。また,それらの治療薬は,薬物性味覚障害の原因となりうる。
❹舌痛,口腔乾燥,嗅覚障害の合併はないか:味覚の異常を訴えるが実際には味覚の低下がなく,嗅覚障害が原因のものを風味障害という。
❺自覚症状の程度をVAS(visual analogue scale)で聴取しておくと,治療効果の判定に役立つ。
【2】身体所見
❶口腔