診療支援
診断

口臭
Halitosis
森田 学
(岡山大学大学院教授・予防歯科学分野)

診断のチェックポイント

定義

❶「口臭」:本人あるいは第三者が不快と感じる呼気の総称である。口腔内で産生される臭気,鼻咽喉や気管で産生される臭気,生体内の代謝産物として肺から排出される臭気が口腔を経由して排泄される。

❷「口臭症」:実際の診療現場では,臭気レベルの低下を目指すのみでは不十分な症例が散見される。そこで,日本口臭学会の指針では,口臭の有無にかかわらず本人が口臭に悩む状態を「口臭症」と定義している。

【1】病歴

❶いつごろから口臭に悩んでいるか,気づいたきっかけは何か,1日のうちで口臭が最も強くなるのはいつか。

起床直後,空腹時,口腔内が乾燥したときなどに自覚する口臭は誰もが経験する。原因疾患もなく,特別な対応は必要ない。

口臭を意識してからの期間は,長いほど不安の程度が強い。

❷口腔乾燥感,口の中がネバネバする感じ,いびきをよくかくか(→薬物の副作用,口呼吸,睡眠時無呼吸症候群,Sjög

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