診療支援
診断

蛋白尿
Proteinuria
門川 俊明
(慶應義塾大学医学教育統轄センター教授)

診断のチェックポイント

定義

❶1日尿蛋白量が150mg/日以上を蛋白尿とよぶ。

❷健常人においても低分子量蛋白と少量のアルブミン(少量ではなく1日200gとする研究もある)は糸球体からろ過されるが,そのほとんどは近位尿細管で再吸収される。健常人の尿に含まれる蛋白は200種類を超え,主要なものを多い順に挙げるとTamm-Horsfall蛋白,アルブミン,免疫グロブリンL鎖(κ),IgGであり,アルブミンは約15~20%である。糸球体疾患では蛋白尿増加とともにアルブミンの占める比率が70~80%以上まで増加する。

❸蛋白尿の分類は,1)一過性蛋白尿,2)起立性蛋白尿,3)糸球体性蛋白尿,4)尿細管性蛋白尿,5)オーバーフロー型蛋白尿,6)腎後性蛋白尿である。

【1】病歴

❶蛋白尿の既往:以前に蛋白尿を指摘されたことがあるか尋ねる。陽性のときの状況が,過激な運動や発熱時であれば,一過性蛋白尿の可能性もあ

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