診療支援
診断

男性骨盤腔のCTおよびMRI診断
CT and MRI Diagnosis of Urologic Diseases of the Male Pelvis
陣崎 雅弘
(慶應義塾大学教授・放射線科学教室)

男性骨盤腔の正常CT・MRI

【1】膀胱

❶膀胱は恥骨結合の背側の存在する腹膜外臓器である。背側に1対の尿管口,尾側に内尿道口があり,3点を結んでできる後壁領域は膀胱三角部とよばれ,正常でも壁がやや厚く描出される(図1)。

❷T2強調画像で膀胱の粘膜および粘膜下層は高信号であり,尿と区別できず,筋層はT2強調画像で低信号に描出される。

【2】前立腺

❶前立腺は膀胱下面に接し,精囊は前立腺の上背側に左右で一対存在する臓器であり,前立腺内を尿道と左右の射精管が貫く。

❷CT:いずれもほぼ均一な軟部濃度に描出されるため,内部構造を認識することができない。

❸MRI:T2強調画像で内部の層構造が明瞭に描出され,背側から外側を占める辺縁域は著明な高信号,中心域(射精管の周囲)と移行域(尿道の周囲)は低信号を示す(図2)。拡散強調画像では移行域は辺縁域よりもやや高信号となる。精囊は横断像でハの字型に位置し,T2

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